ブログパーツ












マインド・コントロールの恐怖
スティーヴン ハッサン (著)




CIA洗脳実験室
父は人体実験の犠牲になった
ハービー・M. ワインスタイン (著)




マインド・コントロールの拡張
浜田 至宇 (著)




電子洗脳
あなたの脳も攻撃されている
ニック・ベギーチ博士 (著)




テクノロジー犯罪被害者による被害報告集―遠隔技術悪用を告発する33名の被害者自身による被害実態報告
内山 治樹 (編集)




創価学会を斬る
この日本をどうする2 (1969年)
藤原 弘達 (著)




邪教集団・創価学会
これでもあなたは信じるか (1976年)
室生 忠 (著), 隈部 大蔵 (著)




黒い手帖
創価学会「日本占領計画」の全記録
元公明党委員長 矢野 絢也 (著)




「黒い手帖」裁判全記録
元公明党委員長 矢野 絢也 (著)




池田大作の品格
憂慮される池田Xデー後の社会的混乱
元創価学会芸術部書記長 小多仁 伯 (著)




誰も書かなかった池田大作・創価学会の真実
元創価学会教学部長 原島 嵩 (著)




「月刊ペン」事件埋もれていた真実
元創価学会顧問弁護士 山崎 正友 (著)




創価学会・公明党「カネと品位」
福本 潤一 (著)




「きもカルト」撃退記―創価学会員やシンパとのお笑い真剣バトル全記録
黒田 大輔 (著)



東村山の闇
「女性市議転落死事件」8 年目の真実
矢野 穂積 (著), 朝木 直子 (著)




憚(はばか)りながら
後藤 忠政 (著)





書籍資料電磁波音響動画対策商品関連用語被害者記事

マインドコントロールの拡張

1985年5月15日

浜田至宇 著



日本で最初にこの問題を啓発した書籍と云われている。

参考情報として使っていただきたい。

また阿修羅掲示板で2006年前後にHN姫という方が書籍の転載をしていたようだ。

一部使わせていただいている。

この場を借りて謝辞と代えさせていただきます。


姫様作成

マインド・コントロールの歴史と極秘にされた人体実験

http://www.asyura2.com/0610/bd46/msg/648.html


マインド・コントロールの歴史と極秘にされた人体実験U

http://www.asyura2.com/0610/bd46/msg/648.html


マインド・コントロールの歴史と極秘にされた人体実験V

http://www.asyura.com/0610/bd46/msg/707.html



DARPAの存在は補綴(ほてつ)という建前はあるが、人間をロボット化する為に研究をしているとも存じる。

操作される脳】も参照していただきたい。




【転載】


85

ホセ・デルガド(Jose Delgado)は一九六〇年代にESBの可能性について、「我々はサルやネコを電気のおもちゃのようにして動かすことができる」とさえ表現している。



99

パラボラ・アンテナ

一九五九年にはアメリカ空軍の協力のもとにイタリアで研究をしていたボナッツォーラ(S.B

onazzla)とガルチェロッティ(T.Gualtierotti)は次のような発表をしている。彼らはネコの脳を遠隔操作によって刺激した。

 受信装置と刺激装置はかなり小さくて、披験動物の皮下に恒久的にインプラントすることができる。電気刺激は、動物がどの場所、そんな運動をしていても、一定した強さ、時間の長さで与えることができる。六つのトランジスタを使用したこの装置は受信アンテナ、増幅回路、マルチバイブレーター、トランスフォーマーなどから成り、電源にはミニチュアの七つの水銀電池が使用されている(各電池は一・五ボルト)。

 高感度の性能によって、動物がどんなポジションにいても刺激が与えることができ、三〇センチ波(一ギガヘルツ)の送信電波はパラボラ・アンテナによって照射され、およそ五〇メートル離れたところでも、さらにコンクリートや木製の壁の向こうに対象動物がいても、安定した刺激を与えることができる。しかし、バッテリーを使っているため、その寿命は(論文作成時で)約一ヶ月であった。この装置による実験によって、さまざまな運動や行動が誘発、観察された。



100

闘牛士デルガド

 ニューヨーク・タイムズの一面にも載った有名な脳刺激による遠隔操作のデモンストレーションをここで紹介しておこう。場所はスペインのコルドバのとある闘牛場、その中で赤いケープを片手に持っているのが脳の電気刺激の研究で世界をリードしてきたアメリカ、イェール大学のホセ・デルガド(Jose Delgado)である。もともと彼はスペインの出身で医学のキャリアもここからスタートしている。そこに1頭のアンダルシアの闘牛が登場、牛はデルガドが振る赤いケープに興奮し、彼めがけて突進する。彼は脳については誰よりも知識はあるが、闘牛についてはなんの経験も持っていない。



 興奮した牛はデルガドの1メートル手前まできた。そのとき、デルガドは動揺することもなく、もう一方の手で持っていた小さな黒い装置のボタンを押した。すると牛はデルガドに角を突き刺す寸前でその場に静止する。デルガドの持っていたのは遠隔装置で、スイッチが入ると同時に牛の脳に電気刺激が起こり、牛の攻撃性がなくなった。デルガドが別のボタンを押すと、牛は今度は方向を右に変えて彼から速足で遠ざかっていった。これは1964年に行われた実験である(デルガドはESBの先駆的な研究、とくに遠隔技術の研究開発のパイオニアだった。しかし、彼は80年代よりスペインに戻り、今度は電磁波による脳刺激の研究を始める。


極めて弱い磁界により生体に対するさまざまな効果の観察結果を報告した彼の論文は1980〜90年代に世界的にも大きな驚きを与えることになる)



CIAレポート

 技術開発が加速化して進められる中、時代は60年代に入る。60年代に入ってまもなくCIAの報告書はリモート・コントロールについて次のように述べている。

 「我々は現在、脳の刺激においての『生産能力』を有している」具体的には、「我々は、イヌを決められたコースに従って歩かせるようなプロトタイプ・システムを解明しつつある」

 そして、この一年後のCIA文書では、動物への脳刺激の応用の可能性のひとつとして、生物化学兵器の運搬をあげていた。その目的は、「最終的行動タイプの作戦」、っまり「暗殺」計画での使用である。映画『イルカの日』で使われたイルカたちが、その考え方の好例を示すだろう。



軽量化

 パーツの高度化・小型化により、比較的簡単な装置でも機能が高まっていく。頭部に固定されるタイプの受信装置も軽量化が進む。60年代初頭に使われたサルのための装置は、そのバッテリーをも含めた重量が、76グラム(warner..1962年)や、45グラム(Uspon.1962年)であったが、マックス・プランク研究所のマウルス(M.Maurus)が使用したものは4グラム、70年代初頭、リスザルには5グラム(Maurus & Ploog.1971年)、ハトに使用したものは、僅か2.5グラム(Zeier.1971年)しかなかった。



電気的自慰行為

 先に紹介したオールズとミルナーによる脳の自已刺激実験により、モチベーション、動機付けの研究が発展していく。これは、ムチとアメとの研究と言うこともできる。ムチを伴う行動は避け、アメの行動は進んでこれを行うという原理に基づいたものだ。アメの格好のデモンストレーションの一例がある。映画『イルカの日』のイルカ博士のモデルとなったジョン・C・リリー(John.C.Lily)は、50年代には脳の電気的刺激研究の最先端におり、その時代の研究対象はイルカではなくサルであった。


 彼はいくつもの電極を極く簡単に脳に挿入する技術を開発し、1頭のサルの脳に610もの電極を差し込んで、電気刺激を与えるというような研究をしていた。脳自体には痛さを感じる神経が存在しないので、サルでも人間でも、意識がはっきりしたまま電極を脳の深く挿入することができる。そんな研究の中、サルの脳のある部位を電気刺激するとサルがオルガニズムを体験することがわかり、その電気刺激のスイッチをサルの自由にまかせた。電流は3分ごとに流れるようにしてある。自己刺激実験である。するとサルはスイッチを絶え間なく押し続け、電流を自分の脳に与えることによってオルガニズムを3分ごとに楽しんだ。サルはこの電気的自慰行為を1日のうち16時間連続して行い、そして次の6時間は睡眠をとったが、また眠りから覚めると3分ごとのエクスタシーを再び楽しんだのだった。


 この記録フィルムがある科学会議の席上で公開された。これは科学界以外にも広く興味を呼び起こしたようで、リリーが所属していた国立衛生研究所(NIH)の所長をとおして、リリーへ講演の要請があった。要請してきたのは、アメリカの諜報界のグループで、FBI、CIA、NSAをはじめ、空軍情報局、海軍情報局、軍、国務省などのスタッフが聴講生になるという話だった。リリーは報告会を秘密会としないという条件のもとに講演の要請を引き受ける。しかし、彼らの関心事は、講演の後の質疑応答でも明白だった。


 そのひとりはリリーに、このテクニックの人間への応用の可能性について尋ねたのだ。癩癩(てんかん)、パーキンソン病の患者への応用についてのみリリーは答えた。マインド・コントロールを人間に使用するといったことこそ彼が一番、嫌悪するものであったからだ。結局、この研究の悪用の可能性を憂慮して、リリーは脳の電気的刺激の研究を放棄し、別の分野から彼のテーマである「心」の研究にとりかかるようになる。イルカとの対話の研究は、このようにして開始されるてとになったのである(詳しくは、彼の自叙伝的ノンフィクション『サイエンティスト』が刊行されているので参照されたい)



サンディア研究所

 講演後まもなく、彼が開発した電極のインプラント方法をビデオに撮りたいという依頼の電話が、ニューメキシコのサンディア研究所からあった。その技術を手がけているイルカの研究に応用したいということだった。リリーは、また、作成したビデオが非公開にならないという条件でこれに応じる。しかし、完成したビデオは結局、機密扱いになり、リリーのもとにコピーを送ることすら許されなかった。



登り

 このビデオを撮りにリリーのもとを訪れた研究者が、軍のために動物の遠隔操作の研究を進めていたことが後に明らかになる。彼のある研究発表では、ロバを対象とした遠隔操作のデモンストレーション映画が上映された。電極を脳に埋められたロバは険しい山の予定のコースを「従順」に進んだ。しかも、その決められたコースはあくまでも定規で引いたようにまっ直ぐで、ロバは脇見もせず地形をも無視して突き進むのだった。また、コースの変更は遠隔操作によって可能だった。もし、このロバが爆薬を抱えていれば、あらゆる地形を歩いて進む4本脚の「スマー卜爆弾」となることだろう。ロバが運ぶものは小型の核爆弾かもしれない(サンディア研究所はニューメキシコのカークランド空軍基地内にある。この研究所は核爆弾の研究開発で有名である。同空軍基地内にある博物館侯日本に投下されたニタイプの原爆をはじめ、数多くの原水爆が展示されており、ここを訪れると、この兵器体系の開発・研究の歴史をよく理解できる)


 『サイエンティスト』では、この科学者の名前は公表されていないが、彼の名はニューメキシコのイヴオール・ブラウニング(Ivor Brownig)だと思われる。彼は電極をロバの脳の視床下部にある「快楽」を与えてくれる部位に挿入した。アンテナをつけたそのロバは、送信機からの電波を受けながらニューメキシコにある2000フィートの山を決められたコースで登り、そして彼がスタートしたその地点に戻ってきた。アメとムチ「報償」と「罰」のテクニックを応用したものである。「ロバがあのようにして、コースから外れないように進むのを誰も見たことはないでしょう」と、ブラウニングは回想している。



自由なハト

 この技術の初期の実用例を紹介しよう。ブラウニングのロバのテクニックをハトに応用して、小さ荷物を運搬させた。場所はフランスのパリである。CIAはパリにあるKGBの秘密集会所の1つの盗聴を計画した。問題はいかに、盗聴器を設置するかだ。窓があったのでそこに設置しようとした。そこは高いところだが、夜中にハシゴをかけるわけにもいかない。そこで遠隔操作のハトが登場するハトに盗聴器を取り付け、目的の窓のところまで飛ばし、そこでじっとさせて中の会話を聞かせて、CIA側に送信してもらおうという計画だった。結果は成功した。ハトはコントロールされた自由の戦士だった。




176

 彼のシステムは、イギリスが考えた「犯罪者タグ」を同じように、やはり携帯電話のネットワークを利用したものだった。これを利用することにより、小出力でも広範囲にわたるトラッキングが可能となる。マイヤーの時代とは違って、全米には無線電話のための受信アンテナ・ネットワークが張り巡らされている。彼はその小さな装置を子供の頭部、耳の後ろにある骨の中にインプラントすることを提案した。




184

電磁波とマインド・コントロール


放射

 脳への電気的刺激を用いてマインド・コントロールをしようとすると、脳の中に電極を埋め込むという作業が必要となる。しかし、マインド・コントロールの新しい方法として、コントロールされる人間に装置も持たせる必要がない幾つかの方法が進められている。

 この代表的なものが電磁波、つまり電波を使ったもので、ある特定の電波を人間にあてることによって、その人間の心、行動をコントロールしようとするものである。



184

電磁波によるマインド・コントロール

 コントロールする側が電磁波を使って利用しようとする電磁波の効果にはさまざまなものがある。これから紹介するように、電磁波を使って直接人間の頭の中へ「声」や「音」を送信・伝達することは可能なのだ。この技術を応用すると表面的には分裂症患者の幻聴と同じ現象を一般の人間にも起こすことができる。このようなマインド・コントロール実験が秘密裡に行われていないとは誰も否定することができない。


感覚伝送

 マインド・コントロールの「犠牲者」が語る電磁波効果は「声」にとどまらない。その効果の最もドラスティックなものに「感覚の伝送」がある。これを使えば、別の人物が体験したさまざまな感覚を、電磁波で他の人物に送信することによって、全く同じ体験を味あわせることができるという。例えば、実験室である者を拷問にかけ、その脳波を記録する。この脳波を電磁波にのせて他の者に送信すると、同じ脳波がその者にも現われ、彼もしくは彼女は拷問の感覚を体験するという具合だ。被験者は理由もわからないまま、拷問、セックス、発作などの体験をすることになる。実際、アメリカにはこの実験の犠牲者になったと主張する女性がいる。「拷問」は彼女自身ではなく、彼女が最も愛する3人の小さな娘にまで影響が及んだという。この事例もまだ十分な調査がされていないようだが、その技術的可能性についても考えてみることにする。



照射兵器の応用

 電磁波はこの他にもさまざまな影響を人間に与える。現在では電磁波を利用した兵器の研究が行われており、それが実際に使われた事例も幾つか疑われている。これまで何度か紹介したスウェーデンのロバート・ネスランド氏も、この照射兵器の犠牲となった人物のひとりだ。彼の部屋はたびたびこの照射兵器の影響にさらされ、ネスランド氏によるとその間は長時間、自分の部屋で過ごすことが不可能だという。同様な例は、アメリカ、イギリスなどでも報告されている。この兵器の効果は、人間の心・行動をコントロールするというよりも、その人間の健康にダメージを与えることを狙ったもっと一般的な兵器のようだが、マインド・コントロールとも密接に関連するところがあるので、後に詳しく探ってみることにしよう。



電磁波の種類

 電磁波そのものについてはここで詳しく述べることはしないが、簡単にその種類と分類だけはしておきたい。電磁波の存在が実証されたのは、1888年のヘルツ(Heinrich Rudolf Hertz)による実験であり(これよりおよそ100年前のガルバニによるカエルの実験のひとつでは、カエルから離れたところで電極の間にスパークを発生させて、これにより筋肉の遠隔刺激をしている。これは電磁波の送受信実験ということもできる)、そしてヘルツの実験から10年も経たないうちにマルコー二によって電磁波の通信への応用が開始された。電磁波は周波数によって分類されるが、その高いところから、ガンマ線、エックス線、紫外線、我々が見ることができる可視光線、赤外線、ラジオ波などの順番で並んでいる。


 このラジオ波はさらに、UHF、VFE、短波、中波、長波などに分けられる。周波数がこの順番で低くなると、波長はだんだん長くなっていくわけだ。マインド・コントロールと電磁波との話で最初に登場するのは、このラジオ波の中で、波長が1メートル以下の極超短波とも呼ばれるマイクロ波(マイクロウェーブ)と呼ばれるものだ。周波数でいうと大体ギガヘルツの単位が用いられる。このマイクロ波を利用したものとして、レーダーや家庭で使われる電子レンジがあげられる。電子レンジは英語ではマイクロウェーブ・オーブンというが、マイクロ波の熱効果を利用したものだ。その使用している電波の周波数は通常、2.75ギガヘルツ(2750メガヘルツ、波長は10センチ強)となっている。家庭にある電子レンジを確認されたい。



188

モスクワ・シグナル事件の発端

 マインド・コントロールに関連して電磁波がとり上げられるのは、「モスクワ・シグナル」と呼ばれる有名な事件から始まる。そして、この事件はさらにもうひとつのよく知られている国際的事件をその起源に持つ。第二次世界大戦が終わった1945年、ソ連側からモスクワのアメリカ大使館にひとつのプレゼントが贈られた。アメリカの国家の象徴であるワシの彫刻がそれだった。一抱えもある大きさの彫刻を受け取った当時のアメリカ大使アヴェレル・ハリマンは、それを大使館内の壁に飾った。

 ところがそれから7年も経ってから、この壁飾りについて重大な事実が発見された。この彫刻の中に盗聴器が発見されたのだ。それはワシのクチバシの部分にうまく隠されていた。これだけ長い間この装置が発見されなかったのは、盗聴器の仕組みに秘密があったのだ。その盗聴器は電波を常に発信しているわけではなく、電源となるバッテリーも使われていないタイプのものだった。電源は大使館の外部から放射される電波が供給源となっており、装置が外部からの電波を受けると、振動板で変換された音波を拾って自動的に変調された電波が大使館の外部に向けて発信される仕組みになっていた。つまり、トランスポンダー・システムと呼ばれる方法をソ連は採用していたわけだ。

 この事件は、後にニューヨークの国連の席上で、アメリカの国連大使ヘンリー・キャボット・ロッジが暴露してセンセーションをまきおこした。これはアメリカのスパイ機U2がソ連によって撃ち堕とされたのと同じ年、1960年のことだ。この事件により、アメリカでは「盗聴」(bugging)という言葉が、一般家庭でもすっかりなじみの深いものとなった。



盗聴器の発見

 一方、アメリカ大使館では、一九五二年の盗聴器発見以降、セキュリティによる大使館に向けた電波の定期検査が行われるようになっていた。そして、ちょうど一〇年経った一九六二年に発見されたのが、後に「モスクワ・シグナル」として知られる怪電波だった。大使館近くのビルディングから、低出力ながらもマイクロ波がアメリカ大使館に向けて放射されていることが発見された。それは送信の状態と送信されていない状態が短い時間で繰り返されるパルス波と呼ばれる波形によって特徴づけられるものだった。このソ連によるマイクロ波放射の目的が問題となった。

 かつての盗聴の時と同様にまだ大使館内に隠されている盗聴装置の電源の役目をしているのか。それともアメリカ大使館が行っているソ連国内の電波の傍受を妨害するためのジャミング(電波妨害)を目的としているのか。これらはそのマイクロ波の特徴や低出力から考えるとどうも納得がいかなかった。そこで、考えられたもうひとつの可能性がマインド・コントロールだったのだ。そのマイクロ波がアメリカ大使館職員の行動、健康に影響を及ぼす効果邦あるのではないかと疑いがかけられた。アメリカではなんの影響もないとされた低レベルの電磁波が、ソ連では心理学的な諸影響を持っているという論文が数多く存在していたからだ。


秘密プロジェクト

 こうしてアメリカで、CIAと軍とが協力して極秘の低レベル電磁波の研究が開始される。この研究は一般には秘密であった。また当の大使館の職員にもマイクロ波が照射されているという事実が秘密にされていたのは言うまでもない。この事実を初めて明らかにしたのは、すっぱ抜きで有名なジャーナリスト、ジャック・アンダーソンが1972年にワシントン・ポスト紙のコラムに書いた「洗脳を試みるロシア?」と題する記事だった。記事の中で、モスクワ・シグナルを契機としてある極秘の研究をCIAが進めており、電磁波の人体への心理学的影響を含めたさまざまな可能性が研究されているという事実が明らかにされた。


 実際、アンダーソンはその秘密計画に参加した何人かの研究者とのインタビューにも成功しており、その秘密計画の名前も明らかにしている。CIAの秘密ファイルの表題でもあったその名前とは、パンドラ計画だった。しかし、1972年にアンダーソンが得た情報だけでは、研究の結果も実際の人体への影響についても不明確なもので、何も結論はだせないという内容で、まだ「モスクワ・シグナル」は本格的な事件には発展しなかった。これが事件として有名になるのはさらに3年以上の月日が経過する必要があった。


ブリーフィング

 アメリカ政府の沈黙も手伝って噂は飛び交い、ヨーロッパでもアジアでも各地のアメリカ大使館職員の間では、カクテルパーティでも昼食の時でもマイクロウエーブの話が一番ホットな話題となって囁かれた。モスクワ大使館で働くと健康を害するという話は本当なのか。実際、現任のステッセル大使は白血病に似た血液の珍しい病にかかっているというし、目からの出血もあるという。また、前任の2人の大使はともに癌で亡くなっている。自分たちの大使館は大丈夫なのか。モスクワ大使館へのマイクロ波の照射レベルは、この半年で以前より強カなものとなったというが……等々。



合意

 現在でも「モスクワ・シグナル」がいったい何を目的としたものかは発言していないのだが、事件そのものは次のように展開していく。2月にはすでにマイクロ波照射を防ぐためにアルミニウムの遮蔽板がアメリカ大使館の周りに設置された。さらにその月末にはソ連側がマイクロ波照射の事実を認め、この照射はアメリカ大使館によるソ連国内の通信の盗聴を妨害、ジャミングするためのものであるとした。一方、アメリカ政府側はこのソ連側の発表内容については否定も肯定もせず、という態度をとった。


 3月には、ソ運がマイクロ波の照射を前年5月以前のレベルに落とすかわりに、アメリカ側がある装置を大使館から撤去することに合意したという情報が『タイム』誌に報道された(一説によると、その装置とはプロジェクト・ガンマ・グツピィと呼ばれる、クレムリンの住人が乗るリムジンの無線電話を傍受するという盗聴を目的としたものと言われる)。7月にはアメリカ政府はソ連による照射がすでに非常に低レベルまで弱まったというデータを発表している。それでは大使館員に対するマイクロ波の影響は本当になかったのだろうか。


 アメリカ国務省は同年11月には、モスクワ大便館勤務を非健康的ポストとし、職員の20パーセント給与アップを認めている。といっても、この処置は国務省によるとまったくマイクロ波の照射事件とは関係のないものだということだ。国務省は、大使館員の健康状態がマイクロ波によってなんらかの影響を受けたかどうかをはっきりさせるために、ジョンズ・ホプキンス大学の公衆衛生健康学部に調査を依頼している。その最終レポートは1978年に提出されている。彼らの研究方法は、モスクワの大使館職員の健康状態を他の東欧諸国のアメリカ大使館職員の健康状態と比較検討するというものだった。


 その結論によると、モスクワのアメリカ大使館職員が特に健康がすぐれないという主張は統計的には根拠がなく、マイクロ波照射の健康に与える因果関係は証明されないというものだった。パンドラ計画に参加した国防総省高等研究計画局(DARPA)のサミュェル・コズロフ(Samuel Koslov)は、「モスクワ・シグナル」は、決して大使館職員の健康・行動に影響を与えようとしたものではない」と断定している。しかし、実際のパンドラ計画はこの否定された可能性を疑っていた。


パンドラの箱

 パンドラ計画ではまず、ソ連側の電磁波の生体への影響に関する文献を集め、その評価をすることだったが、これを行ったひとりが先のDARPAのサミュエル・コズロフだった。DARPAは他の研究者、研究機関にも協力を求めた。その中でマイクロ波の生体に与える研究をしたのが、ウォルター・リード陸軍研究所(Walter Reed Army institute)のジョセフ・シャープ(Joseph C.Sharp)とマーク・グローブ(Mark Grove)のふたりだった。1965年に国務省と国防省の依頼により、シャープとグローブはパンドラ計画に参加することになったが、彼らが最初に着手したのがアメリカ国内でこれに関連した過去の研究の調査だった。


 彼らは研究を行った国内すべての研究所を訪れ、研究者の意見を聞き回り、自分たちの研究の方向を定めようとしたわけだ。彼らが試みたこの調査は意外と簡単にすんだ。現在ではこの分野における研究雑誌もいくつか刊行され、研究者も多いが、シャープとグローブが調査をした時点では、政府の補助金を得ていた研究は皆無だった。それだけこの分野はアメリカでは手つかずの未開拓の研究領域であったわけだ。しかし、一般の大学には極く少数ながらも独自の研究を始めていた研究者が存在していた。その中のひとりがニューヨーク大学の眼科医、ミルトン・ザレット(Milton Zaret)だ。彼はマイクロ波による白内障の発生などの研究をしており、マイクロ波が生物学的にも行動学的にも生体に影響を及ぼすと主張していた。


 彼に接近したのがCIAだった。彼らはザレットの研究に興味を持ち、マイクロ波が洗脳に応用することができないかと意見を求めた。その時、ザレットは当時はまだ知られていなかったモスクワ・シグナルの話をCIAから聞かされている。その後、ザレットはDARPAの研究者と協力し、モスクワ・シグナルと似た状況において、ラットがどのように反応を示すかについての研究を行う。ザレットによる研究ではラットの行動には確かにマイクロ波の影響による変化が認められた。しかし、彼がさらに研究を進めようとすると、なぜかCIAによって実験停止の命令が言い渡された。



パンドラ計画のその後

 一方、先程のウォルター・リード陸軍研究所のシャープらはサルを使った研究を続ける。1968年の後半に発表された研究では、サルにモスクワ・シグナルをまねた低レベルのマイクロ波を照射し続けた結果、その行動にやはり異常が見られた。その中の一頭は照射により深い昏睡状態に陥ったともいう。DARPAのリチャード・セザロ(Richard Cesaro)は、この研究が人間の行動コントロールの可能性を示したものと考えた。そして、ウォルター・リード陸軍研究所には、人間を使った本格的な実験を開始することが指示された。


 しかし、ここからパンドラ計画の内容は不透明になる。シャープらによる人体実験は結局行われることはなかった。シャープらの行ったサルの実験内容に疑問が呈せられ、その結論は早急だったとみなされて人間による実験は中止されてしまう。そしてパンドラ計画本体もまもなく終結する。その展開には多くの疑問が残る。一説によると、パンドラ計画は別のプロジェクトに名前を変えられて人体実験を含む実験が進められていったというが、その内容は明らかではない。アンナ・キーラー(Anna Keeler)による1989年の雑誌記事では、国防省筋の情報として、1970年代の初頭にはマイクロ波を使った秘密の人体実験がアメリカ国内の刑務所で行われたという話も紹介されている。



モスクワ・シグナルの照射レベル

 このようにしてアメリカで低レベルのマイクロ波の基準が定まってから、ずいぶん経過してから問題となったのが、あのモスクワ・シグナルだった。実際、モスクワ・シグナルの強さはどのくらいだったのか。急激に強められたという70年代の中頃でも15マイクロワット/平方センチメートルほどだった。1ワットの1000分の1が1ミリワット、その1000分の1が1マイクロワットだから、モスクワ・シグナルの照射レベルは当時のアメリカの安全基準よりも4桁も小さい数字ということになる。アメリカでは人的影響などは全く考えることができないという極く低いレベルだ。


 しかし、この僅かなレベルの照射がアメリカ大使館職員の行動・健康に影響を与える目的を持っていたのではないかという憶測が生まれたのは訳があった。それはソ連側の安全基準がアメリカとは全く違ったレベルのものだったからだ。




209

熱弾性波仮説

 現在、最も有力と考えられている聴覚効果のメカニズムは、熱弾性波仮説(thermoelastic wave theory)と呼ばれるものだ。これはパルス波の一つひとつのパルスが持つエネルギーが、脳の中の組織を温め、その温度上昇によって組織膨張が起こり、この変化で生じる弾性波が骨を通して蝸牛管に伝わって音になるという考え方だ。実際にひとつのパルスが持つエネルギーによって脳内部で起こる温度の上昇は、一度の100万分の1単位の極めて僅かなものだが、この温度上昇がマイクロ秒というやはり極く僅かの時間で起こるために音の元となる波を作るのに十分な大きさの変化、つまり熱膨張が生まれるのだという。


 この効果は、水をためた水槽の表面にパルス波をあて、水中マイクで音をひろえることによっても簡単に確かめることができる。この理論によれば、音の大きさは一つひとつのパルスが持つエルギーの大きさによって決められ、また聞くことのできる音の周波数は電磁波の周波数とは関係なく、脳の容れ物、つまり頭蓋骨の内側の器の大きさによって決まることになる。実際の脳からもこの説の確実性は検証されており、脳の中に設置した水中マイクからも信号が検出されている。


 さらに蝸牛管から検出される信号の周波数は照射する電磁波の周波数を変えても、変化しない。一方、最近ではこの熱弾性波仮説でも十分な説明ができない事実がいくつかあるとして、蝸牛管そのものの構成の電気的性質の違いに注目して、そこからマクスウェル応力と呼ばれる力が働きかけ、これが音になるという仮説も主張されている。このようなメカニズムに関する論争はこれからも続きそうであるが、熱弾性波仮説のメカニズムがマイクロ波による聴覚効果の大きな要因であることは間違いなさそうだ。



通信への応用

 それではマイクロ波の聴覚効果の応用面について考えよう。どのようなことが可能なのだろうか。最初に通信への応用が考えられる。頭の中に発生する音を使うことにより、受信機なしの信号の受け取りが可能となる。その最も簡単な形は音の連続と不連続を組み合わせた、いわばモールス信号ということになる。一つひとつのパルス波に対応してひとつの音が発生する。クリッキング音などの短い不連続音の繰り返しも、パスル率を速めることで連続音に変化する。この連続音を組み合わせれば容易にモールス信号の送受信ができる。


 この実験は70年代の前半に、ワシントン州立大学のアーサー・ガイ(Arthur W.Guy)によって成功している。最初の実験でガイは、かつて鉄道の通信技師であった自分の父に頼んでキーの操作をしてもらった。ガイは父が送ったモールス信号のメッセージを頭の中で、なんの受信装置も使うことなしに、はっきりと聞くことができた。



言葉の送受信

 無線の歴史でもそうだが、モールス信号による通信の次にはアナログによる言葉の通信が始まる。マイクロ波の聴覚効果の応用もこれと同じ発展の道をたどる。この実験は先に紹介したパンドラ計画に参加したウォルター・リード陸軍研究所のジヨセフ・シャープとマーク・グローブによって行われている。ガイのモールス信号の実験と同じ1973年のことだ。彼らは一音節の簡単な英単語のいくつかを選び、その音の振動をアナログ録音して、波の形に合わせてパルス波を送信するという実験を行った。そして、彼ら自身が被験者になり、このように変調されたマイクロ波を自分たちの頭にむけて照射した。


 実験は成功だった。彼らは英単語を頭の中で聞くことができた。残念なことに彼らの研究は、論文が公表されていないので詳しいことがわかっていない。我々が知ることができるのは他の研究者との私信によって明らかにされた内容だけで、細かい研究内容はまだ秘密のようだ。彼らの研究はパンドラ計画の一環として行われ、その内容は同プロジェクトの多くの研究と同様に公開されていない。その僅かにわかっている情報によれば、頭の中に聞こえる声は「人工喉頭」で話す声に似たものだったという。


 また彼らの実験は一音節の簡単な単語の実験で終わってしまい、より複雑な単語や文章などの送信のための実験は、照射される電磁波が安全基準である10ミリワット/平方センチメートルを超えてしまう危険があったので実施されることがなかったという。声の送信実験はその後どのように進んでいったのだろうか。残念ながらその情報は見つけだすことができなかった。しかし、秘密研究によりさらに進んだ応用が可能となっているであろうことが十分に考えられるのではないか。「声」を聞くというマインド・コントロールの犠牲者と呼ばれる人たちの主張の根拠がここに隠されているのかもしれない。



兵器への応用

 マイクロ波の聴覚効果を応用した声の送信技術はいろいろな目的のために使うことができるだろう。しかし、声の送信によるマインド・コントロールヘの応用は、あくまでも心理学的な方法であり、これまでに述べてきた脳の電気刺激などのような生理学的な方法とは全くの対照をなしている。ただ、この「声」による心理学的方法が特殊なのは、この技術が一般に知られておらず、「声」を聞いた人間はその「声」がいかなるメカニズムで聞こえてくるのかということをまったく理解できないことにある。「声」を聞く者は、突然聞こえるその言葉に対して、自分が幻聴を聞いているのではないかと戸惑うばかりだ。相談を受ける医療関係者も彼らの話を分裂症の幻聴と判断するしかない。


 「声」のマインド・コントロールを応用する者にとって重要な点は、その仕組みが一般に知られていないことで、この技術に関する情報を極カ抑さえることが必要となる。また、マインド・コントロールのためには「声」そのものが意識して聞こえる必要はない。いわゆるサブリミナルといわれる方法を利用することができる。これは通常の意識ではほとんど聞こえない程度の音量で話しかけ、その人間の潜在意識に語りかけ、それにより影響を与えようとする方法だ。これもマインド・コントロールには非常に有効的な手段だ。また「声」を直接利用して催眠のテクニックを使う方法も考えられる。


 心理学的な応用を別として、このマイクロ波が持つ音効果をさらに純粋に兵器として応用することも考えられよう。その二つの可能性を示そう。パルス波として放射される低レベルのマイクロ波はそのパラメーター(パルス率..強さ)を変化させることにより、音だけでなく別の効果も見つかっている。1962年のフレイは、人間を使った実験をしている時に、被験者が頭の中で叩かれているような感覚(buffeting)や、針で刺すような感覚を体験したと報告している。この効果をさらに増大させるような研究をすれば兵器への応用可能性が十分でてくるだろう。もう一つの可能性はもっと単純で、大音量による兵器である。


 巨大な爆発音を利用した手榴弾型の武器は世界の特殊部隊で使われている。通常は音とともに効果をより上げるために強い光も使われるが、その発生させる音は140から200デシベル程度の大きさだ。飛行機のエンジン音は220デシベルくらいの大きさになる。マイクロ波による音でもこのような大きな音を作ることができればより指向性の高い大音響兵器を作ることが可能となるわけだ。


 1981年、フロリダ州のペンサコーラにあるアメリカ海軍の航空宇宙医学研究所のリチャード・オルセン(Richard G.Olsen)とウェイン・ハマー(Wayne C.Hammer)は脳のモデルを使った次のような実験を行っている。彼らが使用した電磁波は、周波数が1.10ギガヘルツのパルス波で、最大出カが4キロワットと出力が非常に大きなものだった。14マイクロ秒の幅を持つパルスをひとつだけ単独で脳のモデルにあてると、モデルの中にある水中マイクは発生する音をひろうことができる。


 ひとつだけのパルスによって生じる音でどんなことがわかるかというと、最初に生まれた波がモデルの一方の壁にぶつかり反射して、また同じ所(マイクがある所)に戻り、また反対側の壁に反射して同じ所に戻る。このように音は脳のモデルの中を何回も反射を繰り返すわけだ。つまり、一回の電磁波のパルスでも音はある一定の時間的周期を持った波となって記録されるわけだ。いわゆる山彦現象であり、その周期に合わせた問隔で次のパルスを送ってやれば、波と波とが合成され、音の強さは単純に考えれば、二倍、三倍の強さとなっていく。


 ペンサコーラの実験ではこの音の増幅を確かめた。ひとつのパルスによってできる音が反射に必要な時間は、50マイクロ秒より少しだけ長いということがわかった。これを周波数で表現すると16キロヘルツ程度ということになる。この周波数で次々とパルス波を送ってやればよいのだ。彼らの実験では3つのパルスしか連続させて送らなかったが、それでもマイクが捉えた音の大きさは、単一のパルスの時の二倍くらいの大きさになった。実際の記録された音の大きさは、100から140デルベルという大きなものだった。これはジェット機の離陸時の音と比較できる程度の音で、さらにパルスを繰り返すことによりこれ以上の大きな音を作ることも可能である。この考え方から音響兵器への応用も12分に可能となるわけだ。



脳波操作

 マイクロ波の聴覚効果によるマインド・コントロールと兵器への応用はこれくらいにして、の影響を応用したマインド・コントロールを考えてみよう。脳波はドイツのハンス・ベルガー(Hans Berger)により1924年に初めて発見された。(実際に論文が発表されたのは発見から5年も経った1929年のことで、これはあまりにもその発見が意外なもので、心電図を測るのと同じ装置で頭皮から記録されたものが本当に脳波と呼べるものであるかについて発見者本人も疑問を持ったからだ)。ベルガーが発見したのは周波数がおよそ10ヘルツの脳波で、それはアルファ波と呼ばれている。


 脳波はその特徴的な周波数から分類すると、デルタ波(0.5〜3.5ヘルツ)、シータ波(4〜7ヘルツ)、アルファ波(8〜13ヘルツ)、べータ波(14〜30ヘルツ)のような順番に並ぶ。この脳波が頭皮の表面によって電気的に観測されるのは、脳内部の脳神経が億単位で同じようなリズムで活動しているためと考えられている。このように電極をつけて電気的に観測された脳波をEEG(electroencephalogram)というが、現在ではこのほかにも脳波を磁気的に観測する方法もある。脳の中の電気の流れが、頭の外部まで及ぶ磁界を生み出しているためだ。これはEEGに対してMEG(magnetoencephalogram)と呼ばれている。このMEGが観測されたのは比較的最近のことである。


 シカゴのイリノイ大学のデービッド・コーエン(David Cohen)が1960年代の末に初めてこの磁界をとらえることに成功した。彼は観測のため、実験室内に観測にとって雑音となる地磁気を遮断する部屋を特別につくるなど、非常に苦労をした。地球の地磁気の強さは0.5ガウス程度のものだが、脳からでている磁界は10億分の1ガウスというとてつもなく小さいものだからだ。70年代になると超伝導体を利用して極めて小さな磁界も計ることのできるSQUID(superconducting quantum interference device)という装置が開発され、比較的容易にMEGを測定することが可能になっている。



超低周波

 これまで述べてきた電磁波の主役は、周波数がとても高いマイクロ波の領域のものだったが、脳波の周波数に対応する電磁波は周波数が非常に低いため超低周波と呼ばれる。その中でも脳波に対応するものはELF(exttemely low frequency)帯に区分される。これは周波数でいうと3ヘルツから3000ヘルツの電磁波で、波長の長さは100キロメートルから10万キロメートルというすさまじい距離となる。マイクロ波はセンチメートル単位の波長だったが、地球の半径はおよそ6000キロメートルなのでELFは地球規模の波長を持つということになろう。脳波に関してはこのELFが、マイクロ波に代わって主役となる。



潜水艦との通信

 最初に、この非常に長い波長を持つELF帯の電磁波が実際にどこで使われているかというと、あまり我々の身の回りではなじみが薄いが、軍事的利用として地上の基地局と潜水艦との通信に使われている。これは波長が極端に長いために海水に電磁波が反射、吸収されることなく、海中深く潜航する潜水艦との通信が可能となるためだ。バイオ・テレメトリの章で紹介した水中動物のイルカやカメにつけられた送信機は、100キロヘルツ以下の電磁波を使っていたが、潜水艦との通信の場合はこの1000分の1より低い周波数を使うことになる。


 潜水艦との通信にELF帯の電磁波を使うという考えは1950年代の後半にアメリカで生まれ、そして実際のアンテナを持った実験施設は1969年にウィスコンシン州のクラム・レーク (Clam Lake)とパう場所に作られている(ここで使用された周波数は76ヘルツであった)


「地球の脳波」

 しかし、実は我々が住むこの地球には人間が生活を始める前からELF帯の電磁波が存在していた。それは「地球の脳波」とも呼ばれる地球が固有に持っている電磁波のことだ。地球の表面から100キロメートル単位で上空に向かうと、電子やイオンが多く存在している電離層と呼ばれる部分がいくつかあり、これらを地表に近い方からD層、E層、F層などと呼んでいる。地上から上空に向かう電波はこの電離層と地表との反射を繰り返して遠方まで進んでいくことはよく知られている。そして、この特定の大きさを持つ電離層と地表との間の空間が、ある周波数の電磁波と共鳴を起こすという現象が起きる。


 大きな鐘がある特定の周波数の音で共鳴するように、地球も電離層を持つことにより、ある特定の周波数の電磁波がその空間で共鳴をしているのだ。地球はその元となる電磁波のエネルギーを雷の放電などによって供給している。これは1952年にドイツのシューマン(W.O.Scumann)によって理論的に予測され、その10年後にアメリカの研究者たちによって実測されている。シューマン共鳴 (Schumann resonance)と呼ばれるこの電磁波がELF帯の電磁波であり、主要な周波数が8ヘルツとなっている。それが人間の脳波の代表的なアルファ波に一致することから「地球の脳波」とも呼ばれるわけだ。


 実際、地球の長い歴史の中で、この「地球の脳波」が生物の進化にある役割を果たしてきた可能性は否定することができない。人間の脳波も「地球の脳波」が作りだしたという可能性もあるのかもしれない(この理論を飛躍させていくと、人間は地球によって、さらにそれをとりまく宇宙の環境によってマインド・コントロールされているということもできる)




220

ウッドペッカー

 ELFによる脳波の影響の話に入る前に、もうひとつのモスクワ・シグナル事件とも呼ぶべきものを紹介しておこう。それは1976年7月4日、アメリカ独立200周年記念日に始まる。この日から、アメリカをはじめとする西側諸国はソビエトからの思いもかけない「プレゼント」を受け取り困惑する。突然、ソ運国内から、それまで観測されたことのないものすごい強さの電波を受け取ったのだ。そのあまりにも強い電波のためイギリスのBBCや世界のアマチュア無線をはじめ、その周波数帯を使っていた放送局はすべて強い干渉を受けた。


 機関銃のようなシグナルが受信機にはいり、そのためこの送信はウッドペッカー(キツツキ)とも呼ばれた。どうやら送信はバルチック海などソ運国内の数ヵ所の送信所から送られてきているものらしい。当時の世界最大の放送局がソ連国内に一度にいくつも誕生したことになる。確かにその出力は異常だった。イギリスでは夜になると、その強い電波のために夜空に青い発光現象やオーロラ現象も観測され、それにともなうハミング音さえも聞こえるほどだった。電磁波の周波数は3メガから18メガヘルツまでの間で何種類かが使用されたが、もっとも特徴的なのはウッドペッカーと呼ばれるようにELF帯周波数のパルス波にそれが変調されていたことだった。


 またアメリカ側はソ連の意図に頭を悩ます。ELF版モスクワ・シグナルの謎というわけだ。パルス波率(一秒間に繰り返されるパルスの数)は5から26、主に10ヘルツに集中しており、脳波の周波数に一致している。アメリカの一部ではこれが原因なのか、頭痛、吐き気、不眠症、倦怠感、耳鳴りなどの訴えが集中し注目された。ウッドペッカーは脳波を狙ったマインド・コントロール兵器なのだろうか?実際の目的はもっと軍事的なもので、地球規模のおそらく大陸間弾道弾を探知するためのレーダー波であると推測されているが、マインド・コントロール説が生まれるのも理由がないわけでもなかった。


 カナダのプハリッチ(Andrija Puharich)は、実際この説を裏付けする実験を行い、その結果を報告書にして提出している。その報告書はアメリカ政府によりすぐさま極秘文書扱いに区分されたという。



超低周波による脳波操作

 電磁波を使ってELF(低周波数)を利用するには3つの方法がある。そのどれも脳波に影響を与えるように応用できる。


 ()ELF帯の周波数の電磁波を使う。


 ()ELF帯の周波数のパルス率の電磁波を使う。


 ()ELF帯の周波数変調をした電磁波を使う。


 最初の方法は最も直接的なELF応用の方法で、超低周波の電磁波をそのまま利用するものだ。例えば潜水艦の通信に使う電磁波は、ELF帯の電磁波だ。しかし潜水艦通信では70ヘルツくらいの周波数なので脳波への影響はそんなに大きくないと考えられている。アメリカ海軍がウィスコンシン州に実験施設を作り、ELF波による海中との通信の有効性を証明してから、サンギン計画(Project Sangine)という名前で本格的な実施に向けた計画が開始された。しかし、ELFの通信には重大な問題がある。それは波長が極端に長いために、それに対応したアンナテを作ろうとするとその長さは何千キロメートルとなってしまうのだ。当初の案によると、このアンテナの長さは4000キロメートルにも及び、そのケーブルは地中に埋められてつくられる予定だった。


 ところがこの計画に対して住民運動が起きた。施設ができればソ連の大陸間弾道ミサイルの格好のターゲットにされるという恐怖、さらに広大な地域が大出力の電波による影響を受けるのではないかと心配したのだ。このため大規模アンテナの建設は進まず、海軍は何回も委員会を開き、研究者による調査を実施して通信施設が与える生体的影響の安全性を確認する必要があった。そこでのひとつの結論が、そのプロジェクトの周波数では人間や家畜への影響は見られないものの、脳波の周波数に合わせた0.1から30ヘルツの電磁波の場合だと脳生理学的にも行動学的にも影響がでるというものだった。


 いずれにせよ、波長が極端に長いELF波そのものを使って脳に影響を与える方法は、アンテナの面からみてあまりにも問題がある。サンギン計画は結局、カーター大統領の時代に放棄され、そしてレーガン大統領によってまた復活されるという複雑な道をたどる。しかし、80年代に再開された計画では、アンテナの大きさは当初の計画と比べると十分の一程度に縮小せざるを得なくなり、その性能もかなりの低下を余儀なくされている。


低周波パルス

 ELF帯の波長を持った電磁波を使うとなると施設が大変なので、ELF利用には別の方法を考える必要がある。そのひとつがより高い周波数の電磁波をELFの周波数でパルス化することだ。例えば1メガヘルツの電磁波の送信機のオンとオフを一秒間に10回繰り返せばよい。ウッドペッカーがその好例だ。この方法を採用すれば通常の送信機とアンテナでも脳波に合わせた信号が送れる。この実験は1970年にカルフォルニア大学ロサンゼルス校のロス・アディ(W.Ross Ady)をはじめとするグループによって行われた。パンドラ計画を行ったDARPAもこの研究に助成金を与えている。


 彼らはサルに時間感覚に関する学習を行い、脳波に合わせてパルスを送る電界の中にサルを置いた時に、サルの学習した行動と脳波にどのような変化洲生じるかを調べた。実験の対象となったサルは目の前にあるパネルにあるスイッチを5秒間の間隔で繰り返して押すと、その度にジュースが与えられる。長い期間この練習をして学習をしたサルは、かなりの正確さ(70〜80%)でこの行為を続けることができる。パルス波はこのサルの時間的な反応にどのような影響を与えるだろうかという実験であった。


 実験は7ヘルツと10ヘルツの2種類のパルス波で行われたが、7ヘルツの場合にはそれまで覚えた時問の間隔に狂いが生じ(0.4秒以上反応が速まった)、また脳波についてはどちらの周波数の場合も脳の海馬にあった電極から、パルス周波数に対応した脳波周波数の増大が観測された。パルス波が脳波を捉え、増幅させたのだ。この現象はエントレインメント(entrainment、引き込み現象)と呼ばれる。電磁波が脳波と共振して増幅現象が起きたのだといえる。しかし、この現象の実際のメカニズムはまだ解明ざれてはいない。



低周波変調

 高い周波数の電磁波を使って、低い周波数(ELF)の効果を生み出す別の方法がある。それは使用する電磁波自体をELFの低い周波数でパルスさせるのではなく、その電磁波の送信は続けながら、その波の大きさ(振幅)をELFの周波数で変化させてやる方法だ。これはいわゆる振幅変調(am)というもので、一般にAMと呼ばれる。高い周波数の電磁波が、ELFの信号を乗せて運ぶので、高い周波数の電磁波は搬送波、英語では単にキャリア(carrier)と呼ばれている。

 UCLAのアデイを中心とする研究者グループは、この実験にも成功している。今度の実験ではネコを使い、145メガヘルツの電磁波をネコの脳波に合わせて1ヘルツから24ヘルツに変調し、一ミリワット/平方センチメートルの強さで照射した。ネコの脳波はやはり電磁波による引き込み現象を起こし、変調周波数に見合った周波数の脳波が増大した。

 この実験で面白いのは、脳は実際に照射されている高い周波数の電磁波に対して反応を起こしているのではなく、その周波数に乗せられたELF波に反応しているということだ。脳は振幅変調された情報を解読(復調)する機能を持っていることになる。またこれも理論家にとっては難しい問題だ。

 理論はとにかく、このような方法をとれば脳波を電磁波を使って自由に操作する可能性があることが分かってきた。そこでさらに欲張りなことが模索されるようになる。




228

DIAレポート

 アメリカの軍情報局(DIA)は、シンクタンクで知られるベッテル研究所からその報告書を受け取った。それは、共産圏における電磁波の生体的影響の研究についてまとめられたもので、その中では電磁波が持つ三つの効果が兵器に応用できる可能性があると書かれていた。

 最初にあげられた効果がマイクロ波によって頭の中に音が聞えるという効果、別名フレイ効果とも呼ばれるあの聴覚効果である。ウォルター・リード陸軍研究所のシャープらがこの効果を利用して声の送信に成功したのは一九七三年のこと、このレポートが書かれる三年前のことだった。レポートは次のように書いている。


「音、そしておそらく声も、低レベルの平均出力密度を持つマイクロ波のシグナル変調により、頭の中に生み出すことができる。……これらの研究効果は、もしソビエトが人間の行動に影響を与えられるような方法を開発するなら、軍事的な応用が可能となる」

「音を頭の中で聞くことの研究は、軍人や外交官の行動パターンを混乱させる可能性を持っているし、また、これは訊問のツールとしても利用することができよう」


 この聴覚効果の次に彼らが注目したのが、マイクロ波の心臓の鼓動に影響を与えるという生理的効果だった。動物実験では心臓の鼓動リズムとマイクロ波のパルスをシンクロさせることによって鼓動に影響を与えることに成功しているので、人間に同様の効果を起こすことができるならば、心臓発作による殺人や、人間の脳神経に大きなダメージを与えることが可能だろうとレポートは推論している。


 マイクロ波のもうひとつの兵器応用の可能性を彼らは、脳血管バリアと呼ばれるシステムに与える効果の中に見い出した。この効果を利用すれば、人間に対して、頭痛、疲れ、発汗、眩暈、イライラ、緊張、眠気、不眠、健忘症、集中力の欠如などのさまざまな影響を与えることができると考えた。

 報告書は「ソビエトの科学者たちは、低レベルマイクロ波照射による生物学的効果が攻撃的な兵器に応用できることをよく理解している」と書いてある。




237

非殺戮兵器

 電磁波などを使って人間の脳に影響を与えることを目的とした兵器は、現在アメリカなどでは非殺戮兵器という名前で開発が進められている。


(略)


 これらの兵器の多くは冷戦期から現在にいたるまで極秘のプロジェクトとして研究され続けてきた。




241

一九七九年、プラハ大学の交換プログラムに参加したアメリカの生物学者はそこで興味深い話を聞いてきた。

 東ドイツのことだが、超伝導を用いた電磁波を作る装置が事故のために破裂して、非常に高いエネルギーの電磁波パルスが発生し、その装置のすぐ近くにいた大学院生が即死してしまったという。興味深いのは、この事故のすぐ後に実験施設がソ連によってまるごと研究のために回収され運びだされたというのだ。さらに別の研究者たちからもその後日談をアメリカ側が聞いている。

 ソ連の研究者は、実験の追試を行い、その二、三週間には次の段階の実験にも成功したという。それによると、一キロメートルの距離から巨大なマイクロ波のパルスを送ることにより、山羊を殺すことが可能になり、さらに二キロメートル離れた距離からでも山羊の頭の角度によって錯乱状態を起こすことができたという。




263

付録

スウェーデンのエコグルッペンのグループ(ECCO Gruppen

マインドコントロールによる被害を国連、国内外に訴えている。




264

コントロールの時代(エコグルッペン・レポート

 人間が未来や未知なるものを予測する能力を持ってから、これだけ周到に計画されながらも多くの人に知らされていない未来像というものは存在しないだおる。いまコンピューターと双方向の無線通信技術を利用して、我々の脳をコンピューターに結びつけ、我々の思考、行動そして個性全体までをもコントロールしようとする技術が登場している。それは“脳神経監視システム”と呼ばれるが、これを使えば国家意思に従うように我々自身を作りかえることが可能となる。我々はすでにこの未来の境界線を超えつつあり、世界でさらに多くの人々が、「情報社会」の基盤となるこの脳コンピューター通信技術によって自由を失おうとしている。これが我々から隠されている現実なのだ。


(略)


 脳コンピューター無線通信によって思考・視角・感情・心理学的反応などの知覚現状を継続的に記録することが可能になる。これによって国家の科学者、秘密警察組織、政治家、医学研究者たちは個人をより深く全体的に観察することができる。

 我々が確認できる範囲では、諜報機関とこの分野とのかかわりを示す文書は、一九五一年、CIAがアメリカの陸海空軍との協力を決めたものにまでさかのぼる(この時、アーティチョーク計画が生まれた)。一九五二年のCIA文書には次のように述べられている。


 ※個人の意志に逆らって、そして本人に知られることなく、その個人から情報を得る方法の開発。

 ※個人の意志に逆らって、さらに自己保存などの(生命の)基本法則にも逆らって、我々の命令を実行させるべく、その個人をコントロールすることは可能か?_

 ※もしロシア側にこのような手段を我々が使うとすれば、我々の対抗手段は何か?


テレメトリと呼ばれる無線技術によって行われるマインド・コントロールがある。これは双方向性のラジオ通信によるリモート・コントロールで、脳や身体の中に設置されたトランシーバーが脳の心理学的、肉体的、生物学的な活動がさらけだされる。距離は問題ではない。これらの情報は電波で送信されるからだ。




270

沈黙の中の声

 脳へのコンピューター・コントロールに対するメディアの反応は、否定、拒絶、または完全に無視だった。時おり彼らが脳神経監視システムの発展状況について報道する時は、事実の断片でしかなく、そこから実際に行われていることの全体像をつかむことは完全に不可能だ。この技術が紹介されているこれまでの最良の記事のひとつが、一九七七年八月二日付けのニューヨーク・タイムズ紙の第一面に載った「医療施設がCIAによる行動コントロール実験に使用されている」と題した記事だった。

 CIAは無数のアメリカ人にその合意を得ずにマインド・コントロール実験を行ってきた。これらの被験者には、囚人、精神科の患者、さらに癌患者などが含まれる。しかしこの他にも実数は知られていないものの、患者ではない、知らずに被験者となった多くの市民たちがいる。CIAによるプロジェクトに参加したのは、少なくとも一八五人の科学者、八〇ほどの精神科病院、刑務所、医薬会社、病院、四四の医学専門学校および大学などだ。

 ニューヨーク・タイムズ紙に引用されているように、一九五二年一月二五日付けのCIAメモは、(先にも紹介したが)「個人の意志に逆らって、さらに自己保存などの(生命の)基本法則にも逆らって、我々の命令を実行させるべく、その個人をコントロールすることは可能か?」と提起している。暴かれた事実に対してニューヨーク・タイムズ紙は社説の中で「倫理的にも、これは殺人となんら変わることがない。……その手段も、またその目的もとうてい認められるものではない」と述べている。さらにつけ加えて「どれほどの数の市民がモルモットとして使われ、直接の被害を被ったかはわからない」としている。



 米国上院議員サム・J・アーウィン(Sam J. Erwin jr.)は一九七四年に小委員会レポートの序文に次のように書いている。「今日の米国の行動テクノロジーは、個人の最も根源的なもの、個人の自由そのものに触れている。私の考えでは、最も恐ろしい危険は……この技術が特定の人間に、自分の意見や価値を他人に強制することのできる力を生み出すことだ……もし我々の社会が自由であり続けるのなら、ある人間が他の人間の個性、価値観、思想、感情などをコントロールする権力を持つということは許すことができない」



 アメリカの組織で、オープンで公正な障碍者対策を求める市民の会の会長であるマルレーン・P・ロック(Marlene P. Locke)はある記事の中でこう問いかけている。「諜報機関から選ばれて、税金を浪費し、人間の身体の中にその者の合意を得ることもなく針の穴より小さい装置を挿入する実験を行う研究者とは、いったいどのような人たちなのだろうか」



 一九八五年に米国科学進歩協会は、拷問、精神科医による権利乱用について書かれた『身体と心への侵害(The Breaking of Bodies and Minds』(エリック・ストーバーとエレナ・O・ナイチンゲール編集)を出版した。「技術の発展は、広範囲な肉体的・精神的略奪を可能としている。この可能性はジョージ・オーウェルによって『一九八四年』に具体的に書かれているが、彼はこの原因を医学者の無責任さに求めた。このオーウェルの心配を念頭におきながら、我々は医学倫理と人権憲章を我々の座右に据える必要がある」




274

 デービッド・フィレイタス(Daid Fratus)のおかげで、我々はユタ州立刑務所、コロラド州立刑務所エル・レノ連邦刑務所、そしてジェファス刑務所などで、受刑者たちがマインド・コントロール技術に晒され、彼らがいかに苦しめられているかを示す厖大な書類を入手することができた。


(略)


  デービッド・フィレイタスとユタ州立刑務所の多くの受刑者たちは、彼らが受けているこの拷問を世界に訴えることを決め、予備的な法律手続きを現在行っている。我々の手元には一〇〇ページ以上の彼らから送られてきた書類がある。そこには、最先端技術を使った現代のドラキュラが無防備の人間に対して大規模に行っている拷問が詳細に記述されている。



 一九九四年、デレク・ヴィンソン(Derek Vinson)は、脳コミュニケーションの新技術により与えられた苦痛を我々に書き送ってきた。「コロンバスのジェファス刑務所は、CIAによって開発されたバイオ・メディアカル・テレメトリ・マインド・コントロールを私にしようしています。……刑務所の看守は私の心を二十四時間読み、嫌がらせ、脅し、さらに私の政治活動について頭の中で話しかけます。……彼らはまた私の心臓の動きをコントロールしようとし、私はまるで心臓発作に襲われるような感じがします。……これらのテクノロジー使用は違法であり、人権侵害です。私はこれに対して訴訟を起こしました。起訴名はヴィンソン対ジェファス刑務所、ケース番号はB九三−D−CV−Bです」




289

 研究者は、自分たちの脳を監視下にある人物の脳神経活動と結びつけることによって、その者の体験をコンピューターを通じ、自分自身の脳内活動として再現する力を持っている。研究者は、コントロール下にある被験者と同じ感覚を体験する。彼は他人の生活・身体の中に侵入し、被験者自身が認識できるよりさらに深く、彼を観察することができる。すべての感覚、つまり視覚、聴覚、嗅覚、さらに思考、感情、欲求、願望、触覚、苦痛、快楽などが、コントローラー(研究者)によって自分自身の感覚として体験できる。


(略)


 この他人の生活を経験する技術は、すでに一〇年以上の歴史がある。スウェーデンの政治家アルバ・ミルダール(Alva Myrdal)は、この能力について国家調査報告書SOU一九七二/五九で「電子技術の発展により、異なる種類の双方向通信やこれまで人類が経験したことのない緊密な体験を設計することも可能となるだろう」と論じている。




294

 新しい役割を担う人類は、自分のプライベートな価値や自由を謳歌するのではなく、組織の一部として、自立性を否定された部品となり、社会構造の新しい軛のもとで奴隷化される。このような社会では、大衆教育と脳操作がその時代の基盤となる。




300

あとがき

 これまでの彼らの主張が正面から取り上げられなかった最大の理由は、その技術があまりにも知られていないということにあるだろう。一般にはインプラントや電磁波によるマインド・コントロールなどはまだSFの世界のものだと考えられている。

 これらの技術が広く知られていないのは、その研究の多くが、軍事的に、あるいは諜報の分野で秘密のうちに進められてきたからにほかならない。本書では公開されている一般の研究論文を中心にこれらの技術進歩を見てきたが、ある程度までマインド・コントロール技術の存在を証明できたかと確信する。しかし、本書のような公開論文を中心に調べていく手法が、どこまで現在存在するであろう最先端の技術水準に迫っているかは知る術もない。




【転載了】






ホームこのサイトについて集団ストーカーについてハイテク被害について
集団ストーカー被害関連情報ハイテク被害関連情報関連ウェブサイト情報カルトによる被害を撲滅根絶する掲示板


inserted by FC2 system